「親を呼び寄せるタイミングって、いつがベストなんだろう?」
「まだ元気だけど、動かすのは早すぎる?それとも、遅すぎる?」
私は「今しかない」と思って、82歳の両親を呼び寄せました。 元気なうちに住まいを移して、一緒に桜を眺める時間を持ちたかったからです。
この記事では、親を呼び寄せるに至ったきっかけについての私の体験談を紹介します。親を呼び寄せるタイミングについて参考になれば幸いです。
実家に帰るたびに感じた違和感
相続や生前整理ばかりでモヤモヤ
正月に実家に集まると、両親、弟を交えて今後の話をするというのが、ここ数年の恒例行事となった。
私の夫が亡くなった時、相続もろもろの手続きがかなり大変で、私は苦戦していた。
そういう私の姿を見て父も思うところがあったようだ。
親亡き後の相続や不動産をどうするかという話。
確かに残された私たちが困らないように情報を整理してくれるのはありがたい。
確かにありがたい。
わかってはいるけれど、「なんだかなぁ」と割り切れない気持ちになるのも事実。
親が元気な今こそ暮らしを大事に
だって両親は元気だもの。元気な老人だもの。
ノープランは困るけど、先のことなんてざっくり大まかで十分なのでは?
それより「今の暮らしをどうするか」のほうが大事ではないか。
寝たきりでも認知症でもない、毎元気なご老人たちに自分たちの死後の話をさせるというのはいたたまれない気持ちになる。
祖母の介護から学んだこと
母が40年通い続けた理由
私の祖母は50代半ばで脳出血を患い、半身不随になった。
その祖母を母は40年の間、電車を乗り継いで片道1時間かけてお世話をしに行っていた。
祖母の周りに誰もいなかったわけではなかった。
近くに息子夫婦が住んでいた。
でも母は長女だったし、自分がお世話をしたかったのだ。
お世話をしなければならないと思っていたのだ。
誰が近くにいるとか関係なく、お世話をしたい。
それが介護なのだと母の姿を見て思っていた。
私には同じ介護はできないと感じた
「介護」という言葉が現実味を帯びてきている今、ときどき母の姿を思い出す。
両親が動けなくなったら、きっと私は介護をするのだろう。
弟は遠方に住んでいるし、小さい子を抱えているので多分無理。
介護したくないわけじゃない、でも同じようには無理だと思った。
実家まで片道2時間の現実
車の運転は嫌いじゃないけど負担大
我が家から実家まで車で片道約2時間。
車の運転は嫌いではない。
でも実家はちかくにスーパーのない高台に位置している。
父が車に乗らなくなったら、買い物の手伝いは欠かせなくなるだろう。
最低でも週に1回。毎週往復4時間は現実的ではない。
往復が週2・週3になる未来は無理
買い物支援は週1でもいいけど、介護となるともっと頻度があがるだろう。
実家との往復が週に2度も3度もとなるともっと無理。
泊まり込みになる可能性もある。
自分の仕事はどうする?
負担が大きすぎる未来が見えた。
親を呼び寄せるなら元気なうちに
82歳の両親は今も元気
82歳の両親は毎日散歩に出かけるほど元気。
元気な老人です。
ずっと元気でいてほしいけど、いつ状況が変化するかわからない。
介護前だからこそ住まいを移すチャンス
介護前なのも親を呼び寄せるチャンスということ。
認知症や大病で動かせなくなる前に、住まいを移しておきたい。
それが“今しかない”理由。
そして元気な時間を一緒に過ごすことが、何よりの親孝行だと思った。
墓や土地のしがらみを超えて
身近な人に親を呼び寄せた人はいない。
住み慣れたところを離れたくないともめた話はいくつも聞いた。
先祖の墓があるから動けないという話も聞いた。
「こっちに来る気ある?」と聞いてみた
たしかに我が家も同じく実家近くに祖父母の墓がある。
だから、親は動けないと思い込んでいた
でも、一か八か勇気を出して聞いてみることにした。
「こっちに来る気ある?」
すると口をそろえて出てきた答えは
「行く!」
即答だった。
即答で「行く!」だった驚き
よくよく聞いてみると、数年前に娘の近くに引っ越すという案もあったらしい。
でもそのときは夫に遠慮したとのこと。
それから住まいをどうしたらいいのか、わからなかったとも言っていた。
お墓のことも聞いてみたら、墓じまいを検討していたこともわかった。
長年住んでいた土地への執着もそれほどないらしい。
それよりもご近所さんが同じように歳を重ねて施設に入ったり、子供たちの元に引越していったりするのを目の当たりにして、
寂しい未来を感じていたらしい。
タイミングを逃さないために
両親が移住に抵抗がないことがわかると、私は家探しを始めることにした。
呼び寄せの話をする際にも、ひとり親の私にも購入できそうな中古マンションを見つけた話もしていた。
ただし両親は低層階が希望だったので、別の物件を探すことにした。
希望の物件との出会いが背中を押した
物件情報を見てみると近所に手ごろな中古マンションを発見。
低層階、目の前にスーパー、バス停も近い。
車を手放しても何の問題もない立地。
物件探しは最低数か月を覚悟していたので、探し始めてすぐに希望物件が出たことはラッキーだった。
直感を信じて動いた半年間
正直なところ「衝動買い」に近いかもしれない。
「今しかない」と思った直感を信じて動いた。
でも手ごろな価格だったし、これならがっつりリフォーム入れても当初の予算よりも安くあがるだろう。
親に呼び寄せの提案をして3ヶ月経った頃、私はセカンドハウスを手に入れることになった。
その3ヶ月後、つまり提案をして約半年後に両親は入居。
怒涛の6か月だった。
田舎の一軒家と比べるとかなりコンパクトな住まいになったけど、両親は喜んでくれた。
もしかして私の人生一番の親孝行かもしれない
親を呼び寄せるのはいつがいい?
正解はないからこそ柔軟に考える
親を呼び寄せるタイミングに正解はありません。
親の体調や彼らを取り巻く環境、そして一番大事なのは本人の気持ちです。
動きたくないと言われれば、少し遠くから見守るという答えもあります。
介護や相続だけじゃない選択肢もある
介護や相続の話はよく聞きますが、私が大切にしたかったのは「元気な親と暮らしを共有する時間」でした。
一緒に買い物に行ったり、季節の花を眺めたり、何気ない日常を近くで過ごせること。
それは介護が始まる前だからこそできる、かけがえのない時間です。
我が家の例が誰かのヒントになれば
すべての家庭に当てはまるわけではありませんが、我が家の体験が「呼び寄せ」という可能性に気づくきっかけになればうれしいです。

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