親を呼び寄せて近居を始めるにあたって、中古マンションをリフォームしました。
「バリアフリー」といっても、全部を完璧にするのは現実的じゃない。 今回は、今の暮らしにちょうどいい“ゆるやかバリアフリー”の工夫を振り返ってみます。
これから親との近居を考えている方のヒントになればうれしいです。
バリアフリーリフォーム、どこまでやる?暮らしに合わせた工夫と判断基準
「どこまでやる?」の迷いから始まったリフォーム計画
「バリアフリー」と聞くと、手すりをつけたり、段差をなくしたり、引き戸にしたり…と、いろんなイメージが浮かびますよね。 でも、実際にリフォームを考え始めたとき、「どこまでやればいいの?」というのが正直な気持ちでした。
“今の暮らし”を大切にしながら、できることを少しずつ
うちの親は今のところ元気で、特に不自由はありません。 だから今回は、「将来のことを少しだけ意識しつつ、今の暮らしに無理のない範囲で」というスタンスで、できることだけを取り入れることにしました。
将来を見据えた“ちょっと先の安心”を積み重ねる
ただし、安全面にはしっかり気を配りました。 転ばないように、無理な動作をしなくてすむように。 「今は大丈夫」でも、ちょっとした段差や動線の不便さが、思わぬケガにつながることもあります。 だからこそ、「今のうちにできる小さな工夫」を積み重ねておくことにしたんです。
完璧なバリアフリーを目指すのではなく、 「今の暮らしにちょうどいい」 「将来困ったら、そのときまた考える」 そんな柔らかい考え方でも、十分に安心感のある住まいはつくれると思っています。
高齢者にやさしい浴室リフォーム|またぎやすさとヒートショック対策で安心・快適に
お風呂は、家の中でも特に事故が起きやすい場所。 だからこそ、安全面にはいちばん気をつけました。
浴室の段差・浴槽の高さを見直して“またぎやすさ”を確保
まずこだわったのは、浴室の入り口の段差。 マンションの構造上、完全なフラットにはできなかったけれど、できるだけまたぎやすい高さに調整してもらいました。 浴槽も、深すぎず、またぎやすいタイプを選んでいます。
洗い場の広さと手すりの工夫で“動きやすさ”と“安全性”を両立
洗い場はなるべく広くとって、動きやすさを確保。 シャワーのポールは、高さ調節ができて、手すりとしても使えるタイプに。 これなら、立ったままでも座ったままでも使いやすいし、将来の変化にも対応しやすいと思いました。
浴室暖房でヒートショック対策|冬の入浴も安心に
それから、見落としがちだけど大事なのが「浴室暖房付きの換気扇」。 冬場のヒートショック対策として、浴室と脱衣所の温度差をできるだけ減らすために取り入れました。 今はまだ「ちょっと贅沢かな?」と思うくらいだけど、寒い日の入浴がぐっと快適になったので、結果的にとても満足しています。
トイレのバリアフリーリフォーム|引き戸にしない選択と柔軟な工夫
引き戸は見送り|間取りと動線を考えた現実的な判断
トイレのドアは、当初は引き戸にしようかと考えていました。 でも、リフォーム会社の方と相談する中で、脱衣所のスペースに引き戸の枠をつくると、かえって狭くなってしまうことがわかりました。 「引き戸にすればバリアフリー」というイメージはあったけれど、実際の間取りや動線を考えると、現実的ではなかったんです。
ドア位置の調整と床のフラット化で出入りしやすく
そこで今回は、ドアの位置をずらして、出入りしやすいように調整してもらうことに。 脱衣所からトイレへの段差もなくし、フラットに仕上げました。 車いすでも入れるように、開けたときのスペースにも余裕を持たせています。
将来に備える“カーテン作戦”という柔軟な選択肢
「いざとなったらドアを外して、カーテンにすればいい」 そんな柔軟な発想も、今回のリフォームでは大事にしました。 今すぐ必要ではないけれど、将来の変化に備えて“選択肢を残しておく”というのも、ひとつのバリアフリーのかたちかもしれません。
脱衣所と玄関のバリアフリーリフォーム|引き戸と手すりで“もしも”に備える工夫
脱衣所のドアを引き戸に変更|倒れても開けられる安心設計
脱衣所の入り口は、もともと中開きのドアでしたが、引き戸に変更しました。 理由はシンプルで、「万が一、中で倒れてしまったときに外から開けられるようにするため」。 引き戸なら、内側に人が倒れていても開閉できるので、いざというときの安心感が違います。
玄関やトイレの手すりは“再利用”でコストも工夫も◎
玄関やトイレには、前の住人が設置していた手すりが残っていたので、それをそのまま活用することにしました。 新しく取り付けるよりもコストを抑えられるし、位置もちょうどよかったので助かりました。 「使えるものは活かす」というのも、リフォームの大事な視点だなと感じました。
“もしも”に備えるリフォーム|暮らしに溶け込む安心感
どちらも、今すぐ必要というわけではないけれど、 「もしものときに困らないように」 そんな気持ちで取り入れた工夫です。 暮らしの中にさりげなく備えておくことで、安心感がぐっと増す気がしています。
中古マンションのバリアフリーリフォーム|制約の中で工夫した“ちょうどいい”暮らし
中古マンションリフォームの現実|構造や配管の制約と向き合う
今回のリフォームは、中古マンションを購入して行いました。 新築とは違って、もともとの構造や配管の位置など、どうしても変えられない部分があるのが現実です。
理想通りにいかないからこそ、工夫が生まれる
たとえば、浴室の段差は完全にフラットにはできなかったし、トイレの引き戸化もスペースの都合で見送りました。 「理想通りにはいかないな」と思う場面もありましたが、その中で「じゃあ、どう工夫するか?」を考えるのが、リフォームの面白さでもありました。
“ちょうどいい”バリアフリー|できることを積み重ねる住まいづくり
できることを少しずつ積み重ねていく。 完璧じゃなくても、「これなら安心」「これなら使いやすい」と思える形に近づけていく。 それが、中古マンションでの“ちょうどいいバリアフリー”なのかもしれません。
まとめ|“今の暮らしにちょうどいい”ゆるやかバリアフリーという考え方
バリアフリーは“今の暮らし”に合っていることが大切
今回のリフォームでは、「バリアフリーだからこうしなきゃ」という決まりごとにとらわれず、 「今の暮らしに合っているか」「安全に過ごせるか」を軸に、できることを少しずつ取り入れていきました。
将来の変化に合わせて“見直せる余白”を残す
打ち合わせの中では、父から「車いすでも使えるようにしておいてほしい」といった希望もありました。 先のことを心配してくれる気持ちはありがたいけれど、リフォーム会社の方からは「今の暮らしに合わないと、かえって動きづらくなることもありますよ」とアドバイスを受けました。 たとえば、手すりも多ければいいというわけではなく、動線をふさいでしまうこともあるそうです。
だから今回は、「今の体の状態に合った暮らしやすさ」を優先し、必要になったときにまた見直すことにしました。
完璧じゃなくてもいい|ちょっとやさしい工夫の積み重ね
完璧なバリアフリーを目指すのではなく、 「今の暮らしをちょっとだけやさしくする工夫」を積み重ねていく。 そんな柔らかい考え方でも、十分に安心感のある住まいはつくれると思っています。


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