親のもしもに備えすぎないリフォーム術

高齢の親と暮らす住まいづくり
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親を呼び寄せて近居を始めるために中古マンションをリフォームしました。その際、父が「車いすでも使えるようにしておいてくれ」と言った言葉が印象に残っています。

将来の不安に備える気持ちは大切ですが、備えすぎることで現在の暮らしがかえって不便になることもあると気づかされました。

今回は、親の“もしも”にどう向き合い、リフォームを通じて見えてきた「安心のかたち」について振り返ります。親の過度な心配にどう応えるか悩んでいる方の参考になれば幸いです。

親の不安は「将来」にある|車いす対応や認知症への備え

リフォームの打ち合わせ中、父が「車いすでも使えるようにしておいてくれ」とぽつりと言いました。今はまだ元気に歩き、階段も上り下りできますが、父の心には「いつか動けなくなるかもしれない」という不安がありました。

この不安は特別なものではなく、年齢とともに体力や動きが衰え、病気やケガで動きにくくなる可能性は誰にでもあります。認知症や脳梗塞による麻痺など、身近な経験から「自分もそうなるかもしれない」と感じるのは自然なことです。

親世代の不安は「今」ではなく「いつか」に向けられており、「今は大丈夫」でも「将来に備えたい」という気持ちが強いのだと思います。

父の希望:車いす対応の備えと過剰な心配のリスク

父の希望は明確でした。 「車いすでも使えるようにしておいてくれ」 「手すりはあちこちにあったほうが安心だ」 「トイレも広くしておいたほうがいい」

その言葉には、家族に迷惑をかけたくないという思いや、 「自分のことは自分でできるようにしておきたい」という強い意志が込められていたと思います。 その気持ちはとてもありがたく、尊重したいものでした。

でも、実際にリフォームのプランを立てていく中で、リフォーム会社の方からこんなアドバイスがありました。

「今の暮らしに合わない備えをしてしまうと、かえって動きづらくなることもありますよ」 「手すりも、つけすぎると邪魔になったり、つかまる場所が分かりにくくなったりするんです」

たしかに、今の父は車いすではないし、手すりが必要な場面もほとんどありません。 “備えすぎる”ことで、かえって暮らしにくくなってしまう可能性もある。 その言葉に、ハッとさせられました。

親の気持ちに寄り添う暮らしやすい家づくりの重要ポイント

父の「備えておきたい」という気持ちは、決して間違っていません。 むしろ、将来のことを真剣に考えてくれているからこその言葉でした。 だからこそ、私たちもその気持ちを否定せず、いったん受け止めることにしました。

そのうえで、「今の体に合った暮らしやすさ」を優先するという選択をしました。 たとえば、手すりは必要な場所にだけ設置し、将来必要になったときに追加できるように下地を入れておく。 トイレや浴室は、今の動作に無理がない範囲で出入りしやすく整える。 「今のままで困っていないこと」は、あえて変えすぎない。

そうすることで、今の暮らしが快適になり、 将来、何か変化があったときにも「また考えよう」と思える余白が残ります。

“心配しすぎない”ことも、ひとつのやさしさ。 親の気持ちに寄り添いながら、今の暮らしを大切にする。 それが、今回のリフォームで私たちが選んだバランスでした。

まとめ:“備えすぎない”こともやさしさのひとつ

親の「もしも」に備えたい気持ちは、家族への思いやりから生まれるもの。 だからこそ、その不安を否定せず、いったん受け止めることが大切だと感じました。

でも、まだ起きていない未来に合わせて家をつくってしまうと、 今の暮らしが窮屈になってしまうこともあります。 だから今回は、「今の体に合った暮らしやすさ」を優先し、 必要になったときにまた見直せるよう、余白を残すことにしました。

“備えすぎない”という選択も、やさしさのひとつ。 未来の不安にとらわれすぎず、今の安心を積み重ねていくことが、 結果的に、家族みんなにとって心地よい暮らしにつながるのかもしれません。

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