親の様子が「なんだか前と違う」と感じる瞬間は、誰にでも訪れる。
年齢を重ねれば物忘れは自然なことだけれど、
「これは大丈夫な物忘れ?」
「それとも認知症のサイン?」
と不安になることもある。
ここでは、一般的に家族が気づきやすいサインと、見つけたときの声掛け・対処法をまとめておく。
目次
家族が気づきやすい認知症の初期サイン
① 物忘れが「体験ごと」抜け落ちる
- 食べたこと自体を覚えていない
- 行った場所の記憶が丸ごとない
- 同じ話題を何度も繰り返す
- 忘れた自覚がない
👉 ヒントを出しても思い出せないのが特徴。
② 時間や場所の感覚があいまいになる
- 今日が何日かわからない
- 朝なのか夕方なのか混乱する
- いつも行く場所で迷う
- 帰り道がわからなくなる
👉 いわゆる“迷子になる”のはこのタイプ。
③ 性格や行動の変化
- 怒りっぽくなる
- 疑い深くなる(「財布を盗られた」など)
- 以前より頑固になる
- 逆に無気力になる
👉 感情のコントロールが難しくなることがある。
④ 家事や段取りが難しくなる
- 料理の手順がわからなくなる
- 買い物で同じものを何度も買う
- 洗濯物を干し忘れる
- 片付けができなくなる
👉 “段取り”が必要な作業が苦手になる。
⑤ お金の管理ができなくなる
- 支払いを忘れる
- 通帳やカードをなくす
- 詐欺に引っかかりやすくなる
- 光熱費の滞納が増える
👉 家族が最初に気づくきっかけとしてとても多い。
⑥ 身だしなみや生活習慣の変化
- 服を何日も着替えない
- 季節に合わない服を着る
- お風呂に入らなくなる
👉 本人は「昨日入った」と思い込んでいることもある。
ただし、ひとつだけで判断しなくて大丈夫
ストレス・疲れ・加齢でも似たようなことは起こる。
大事なのは、
「以前と比べて、生活に支障が出るほど変わったかどうか」
という視点。
見つけたときの親への声掛け(ここが一番大事)
認知症の可能性があるとき、
指摘の仕方で親の心が大きく揺れる。
NGな声掛け
- 「なんで覚えてないの」
- 「また同じこと言ってるよ」
- 「しっかりしてよ」
- 「前はできてたでしょ」
👉 責められていると感じて、余計に混乱したり怒りっぽくなる。
OKな声掛け(安心を与える言い方)
- 「ちょっと心配だから一緒に確認しようか」
- 「最近疲れてない? 無理してない?」
- 「病院で相談してみると安心できるかもね」
- 「私も忘れることあるよ。いっしょに考えよう」
“責めない・否定しない・寄り添う”が基本。
家族ができる対処法(一般的なもの)
① まずは生活の様子を少し観察する
急に決めつけず、数日〜数週間の変化を見る。
② 本人が不安にならない範囲でサポート
- カレンダーやメモを見やすくする
- 買い物リストを一緒に作る
- 通帳やカードの管理を手伝う
③ 早めに専門家に相談する
- かかりつけ医
- もの忘れ外来
- 地域包括支援センター
👉 早めに相談すると、本人も家族も安心できる。
④ 家族だけで抱え込まない
認知症は家族の問題ではなく、社会全体で支えるもの。
相談先はたくさんあるし、ひとりで背負う必要はない。
おわりに
親の変化に気づくのはつらいことだけれど、
気づけるということは、それだけ親を大切に見ている証拠。
そして、認知症は「早く気づくほど、本人も家族も楽になる」病気でもある。
この記事が、
「ちょっと心配だけど、どうしたらいいかわからない」
という人の背中をそっと押せたらうれしい。


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